地下鉄「恵美須町駅」3番出口を上がると、通天閣本通商店街が広がり、正面には通天閣が見えます。
3番出口を上がってスグの場所に、古くから営業されている「魚光」という魚屋さんがあります。
毎日、伊勢で獲れた魚を近鉄電車~地下鉄と乗り継ぎ、新世界まで運び、売っておられます。
初めて新世界で商売を始めたのが、今から55年前のこと。
当時は、今のお店の向かえあたり(下の写真の場所)で鮮魚の露店商をされていました。
私が子供の頃から「伊勢の魚屋さん」として親しまれていました。
今のお店を構えたのが約30年前だそうで、常連さんを中心に人気がある魚屋さんです。
店主さんの話では、伊勢から新世界へは、今でこそ交通の便が良くなってますが、昔は、近鉄電車に乗るまでバスに揺られ、魚が入った容器から汁がこぼれて怒られたり、辛いこともあったそうです。
新世界に住んで商売をされていたわけではなく、伊勢から新世界へ毎日通う55年間でした。
新世界に溶け込み、地元の人だけでなく、古くから新世界へ来られている方なら誰もが知っている魚屋さんです。
店主さんは気さくな人柄で、近所の子供達からも親しまれる存在でした。
そんな中、魚光さんは、4月末でお店を閉めることになったそうです。
最近、耳に入った話で、正直、びっくりいたしました。
店主さんが高齢だということも理由だそうですが、新世界に根付き、長年の間、新世界にあったお店がまたひとつ無くなります。
新世界の下町風情がまたひとつ消えて行く寂しさも感じます。
しかし、お店が無くなっても、伊勢の魚屋さんという存在は、多くの方の脳裏に残り、忘れることはないでしょう。
伊勢の魚屋さん、長い間、ありがとうございました。
★Twitter@shinsekaizyoho
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