先日、町内会の用事で質屋さんに立ち寄りました。
質屋でお金を借りるためではなく、ふつうに町内会の用事です。
用事の後、質屋の店主さんと雑談をしました。
以前、新世界に質屋は5軒あったのですが、現在は3軒になっています。
店主さんによると、全盛期は西成区に約100軒、浪速区には10軒ぐらい質屋があったそうですが、現在は半分ぐらいに減っているそうです。
世の中にサラ金と言われる金融業が増えたのも、質屋が衰退した理由のひとつだそうです。
日本の質屋の歴史は鎌倉時代から続いていると言われています。
質屋の基本的な仕組みは、お客さんの品物を担保((質草)として預かり、その査定額の範囲内で金銭を貸し付けます。
店主さんによると、質屋は金融業ではないそうです。
だから、貸し付けの利息という考え方ではなく、品物の保管料という意味合いになるらしい。
一般的に、利息という方がお客さんには解りやすいので、お客さんには利息という言葉を使ってるそうです。
質草も時代によって変わり、現在は貴金属がほとんどですが、昔はラジカセや家電製品、それにスーツなどを預かることもありました。
ちなみに江戸時代や明治時代には、着物が質草の主流で、刀剣や大工道具、布団や米もあったそうです。
今では質屋のお客さんは、ほとんどが常連さんで、例えば、高級時計を預けて金銭を借り、後日、お金を返して時計が戻ってくる、ひとつの同じ時計を入れたり出したり、そんなお客さんが来られています。
だから、昔に比べて質流れは少なくなったそうです。
質屋といっても馴染みがない人が多いと思います。
もちろん、私も馴染みはありません。
特に、若い世代の人たちの中には、質屋というもの自体を知らない人がおられるでしょう。
今なお、小さなエリアである新世界に、3軒の質屋さんがあることは、それだけニーズがあるということでしょう。
質屋さんに預ける品物(質草)をみても、時代の様相と共に移り変わっています。
質屋では、借入金に対する支払いの催促や取り立てなどはありません。
預けた品物が戻ってこないという、それ以外のリスクがない、安全安心のシステムと言えるでしょう。
今も昔も、庶民にとって、質屋さんは利用しやすい場所であることは変わらないようです。
今日のブログは、質屋についての、ちょっとした雑学でした。
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