通天閣の『干支の引き継ぎ式 』は、1956(昭和31)年から続く大阪の名物行事です。
今年の干支と来年の干支にちなんだ動物が対面し、双方の動物に代わって駄じゃれを交えた今年の反省と来年の抱負を発表する形態で、毎年、テレビや新聞などで紹介されるのを観て、年の瀬を実感します。
第1回目の「干支」の引き継ぎ式は、通天閣が再建された1956年(昭和31年)12月30日に行われました。
開業した昭和31年は申年でした。
申(猿)は問題なかったが、酉(鶏)は普通の鶏では面白くないということで、天然記念物に指定されている「高知の長尾鶏」、それもコンクールで日本一になった鶏で実施し、大成功をおさめました。
ちなみに、第1回目の立会者は、申(猿)=通天閣社長、酉(鶏)=天王寺動物園長でした。
写真は、1957年(昭和32年)の年末に、酉から戌へ行われた「干支の引き継ぎ式」です。
昨年、2019年12月27日に行われた『干支の引き継ぎ式 』では、イノシシ(亥)とカピバラ(子)が対面し、口上人として通天閣の西上会長、人形浄瑠璃文楽の太夫、竹本津駒太夫さんが登場しました。
この時には、まさか2020年が新型コロナウィルスで翻弄される年になるとは、誰も予想しなかったと思います。
さて、今なお、新型コロナウィルスの感染拡大が収まらない状況の中、通天閣では、年末恒例の「干支の引き継ぎ式」を中止すると発表しました。
報道によると、現在の二代目・通天閣が完成した1956年から続けてきた年末の恒例行事の中止について、通天閣観光の高井隆光社長は「多くのみなさまをお招きして通天閣がクラスターになると本末転倒。ずっと続けてきましたが仕方がない。苦渋の決断です」とコメントされてました。
確かに、当日は多くの報道陣が集まり、そこそこ密になる状況だと推測されます。
ネットニュースなどが無かった時代には、テレビや新聞の記者だけでしたが、最近はネットニュース関係も増えていると思います。
通天閣の伝統行事でもある「干支の引き継ぎ式」が中止になることは寂しく感じますが、仕方がないことかもしれませんね。
年末らしさを感じない、お正月らしさを感じない、そんな年末年始になりそうに思う今日この頃です。
★Twitter@shinsekaizyoho
「愉快・痛快・新世界情報」では、新世界のイベント情報や最新情報を発信しています。
※ 当blog掲載の写真・動画等、無断での複写(コピー)及び、コンテンツの転載転出を禁じます。