先日、ある新聞の記者の取材がありました。
新世界にある喫茶店に、「冷コーあります」と書かれたポスターが貼られているのに興味を持ったそうで、その経緯についての取材でした。
「冷コー」という言葉、知らない方がおられるかもしれませんので、説明すると、冷コーとはアイスコーヒーのことです。
今では、ほとんど使われなくなった言葉です。
記者と話をしたのは、通天閣のすぐに下にある「喫茶 通天閣」です。
「喫茶 通天閣」の入口にも「冷コーあります」のポスターが貼られています。
ちなみに、レスカとはレモンスカッシュのことです。
これらのポスターは、今から7年程前に新世界援隊の企画で作ったものです。
新世界には昭和の時代から続いている喫茶店が数多くあり、昭和の喫茶文化に親しんでもらおうと、「冷コーあります」という懐かしい言葉をポスターにして、各店舗に貼ってもらうことにしました。
当時、新聞でも紹介されたこともありました。
さて、喫茶 通天閣の店内に入って、「冷コー2つ」と注文すると、ふつうに通じます。
アイスコーヒー2つが出てきました。
取材は、店主さんも交えて行われました。
「喫茶 通天閣」の創業は、今の2代目通天閣が開業して、数日後にオープンしたそうです。
今年、通天閣が創業64周年を迎えたので、喫茶 通天閣も同様に歴史のあるお店です。
今の店主さんは、昭和38年頃から、この喫茶店で働いているそうです。
その頃から「冷コー」という言葉は、ふつうに使われていたそうです。
記者によると、「冷コー」という言葉について、それを詳しく説明している資料が少ないそうで、冷コーという言葉の起源もはっきりしないそうです。
私が学生の頃、今から30年以上前ですが、喫茶店でアイスコーヒーという言葉を使うより、冷コーの方がよく使われていたと思います。
また、アイスコーヒーをコールコーヒー(コールド コーヒー)と言う人もおられました。
『コールコーヒー=冷たいコーヒー=冷コー』、確かに理屈は通りますね。
また、喫茶店での業務用語として、アイスコーヒーを冷コー(レーコー)と言ってたのを、いつしかお客さんにも浸透していったという説もあります。
30歳代以上の人は、冷コーという言葉を知ってる人が多いようですが、喫茶店でも注文するときは、冷コーとは言わず、アイスコーヒーと言うようです。
20歳代の人は、冷コーという言葉すら知らない人が多いようです。
ある喫茶店の店主さんは、「冷コーあります」のポスターを貼ってから、そのポスターをながめながら、お客さんとのコミュニケーションができ、好評だと言っておられました。
「冷コーあります」のポスターを貼る目的は、冷コーという言葉をもう一度、流行らせるためではなく、昔ながらの喫茶店の魅力、昭和の喫茶文化を多くの人に感じてもらおうと、「冷コーあります」という懐かしい言葉でポスターを作りました。
そして、この「冷コーあります」企画に使った金額は、カラーコピー代とラミネート代のみ。
ちょっとしたアイデアで生まれた企画ですが、これまでにも数々の取材があり、今になっても取材してもらえることがあります。
お金をかけなくても、地域の魅力を地元から発信することが重要であり、それが地域の活性化への第一歩だと実感する今日この頃です。
★Twitter@shinsekaizyoho
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