私が子供の頃の新世界には映画館が多く、全ての封切り映画を観れました。
夏休みになると、東宝敷島ではゴジラ映画、大映ではガメラ映画を楽しみにしてました。
そんな中、私の父と観た思い出の映画が「砂の器」です。
「砂の器」は松本清張の長編推理小説で、昭和49年に丹波哲郎、加藤剛、森田健作の主演で映画化されました。
映画「砂の器」は全国各地でロケが行われました。
大阪の新世界付近でもロケが行われ、スト-リ-の中で重要な場面になっていました。
私の父は新世界付近でロケが行われたことを知っていて、私を映画に連れて行ってくれたのかもしれません。
新世界付近での話の内容は下記の通り。
今西刑事(丹波哲郎)は、割り出した犯人の裏付けを取るため、犯人の本籍がある大阪市浪速区、新世界へ。
映画では、通天閣の下にある交番を訪ねていますが、本当に交番があります。
今西刑事(丹波哲郎)は、大阪市浪速区で出生地と思われる付近の人々に出生の秘密についての聞き取りを行いました。
映画では、通天閣本通商店街にあると思われる商店が登場しています。
おそらく、架空のお店だと思います。
聞き取り調査で得た情報の裏付けを取るため、浪速区役所の戸籍係に行き、「浪速区恵比須町二ノ一二〇」という住所にある戸籍を調べ、裏付けを取り犯人を確信します。
恵美須町二ノ一二〇という住所は、今の新世界ではなく、正確には新世界の隣町である恵美須西三丁目付近だと思われます。
「砂の器」は戦後日本の様子、差別的な問題も浮き彫りにされた映画で、小学生だった私にはショッキングな内容でもありました。
戦前に新世界で生まれ、大阪空襲を経験した父が、この映画をどのような気持ちで観たのか、私には推測できませんが、父と一緒に観た「砂の器」は、一生忘れられない映画です。
その後、新世界に残っていた映画館も閉館が相次ぎ、最近も閉館した映画館があります。
時代の流れと共に、新世界から古き良き昭和が少なくなっていることを寂しく思う今日この頃です。
★Twitter@shinsekaizyoho
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