この数年、新世界は大きく変わり、多くの串かつ店がひしめき合う街になりました。
24時間営業の串かつ店もあり、「鶴亀家」もそのひとつです。
新世界の街並みの変貌は、この数年だけでなく、約半世紀にかけて、新世界は大きく変わり続けてきました。
今から約50年前、私が幼少の頃、新世界にはたくさんの映画館があり、写真の「鶴亀家」の場所は、東映の映画館でした。
小学生の頃、松本清張の『砂の器」が上映され、父に連れられて観に行った思い出があります。
「砂の器」は松本清張の長編推理小説で、昭和49年に丹波哲郎、加藤剛、森田健作の主演で映画化されました。
映画「砂の器」は全国各地でロケが行われました。
大阪の新世界付近でもロケが行われ、スト-リ-の中で重要な場面になっていました。
新世界付近での話の内容は下記の通り。
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今西刑事(丹波哲郎)は、割り出した犯人の裏付けを取るため、犯人の本籍がある大阪市浪速区、新世界へ。
映画では、通天閣の下にある交番を訪ねていますが、本当に交番があります。
今西刑事(丹波哲郎)は、大阪市浪速区で出生地と思われる付近の人々に出生の秘密についての聞き取りを行いました。
映画では、通天閣本通商店街にあると思われる商店が登場しています。
おそらく、架空のお店だと思います。
聞き取り調査で得た情報の裏付けを取るため、浪速区役所の戸籍係に行き、「浪速区恵比須町二ノ一二〇」という住所にある戸籍を調べ、裏付けを取り犯人を確信します。
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「砂の器」は戦後日本の様子、差別的な問題も浮き彫りにされた映画で、小学生だった私にはショッキングな内容でもありました。
その後、新世界に残っていた映画館も次々と閉館していきます。
映画館の跡地に進出してきたのが、パチンコ店です。
狭い新世界に10店舗以上のパチンコ店がひしめき合っていた時代もありました。
新しくオープンした、ジャンボ釣船「つり吉」も、以前は「ジャンボ」というパチンコ店で、もっと前は、「大映」という映画館でした。
約半世紀の間に、新世界は映画館の街からパチンコ店の街、そして今は串かつの街になっています。
新世界を一周歩けば、全ての封切り映画を観れた時代から、パチンコ店をハシゴして遊べた時代、そして今は串かつの食べ歩きの時代です。
来月、10月は父の三周忌になります。
この季節になると、父と一緒に観た映画「砂の器」を思い出し、新世界の街並みの変貌を強く感じる今日この頃です。
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